夏目漱石「それから」 2009.07.29 22:13

オーディオブックで聞きました。
「それから」の主人公の代助は,大学を卒業した後も就職せず実家から仕送りを受けて生活していました。住まいは一軒家で書生もいて,なかなか優雅な暮らしじゃないかと思います。
明治時代には,こんな世界もあったんですね。今時,こんな生活している人はいないと思いますけど,私が知らないだけかもしれません。
仕送りをしている側にすれば,せいぜい今のうちに遊んでおけ,やりたいことがあれば何でもやらしてやる,やりたいことが見つかるまでは遊んで社会勉強(?)しておけばいいというスタンスではなかったのかと思います。
以下ネタバレあります。といっても,こんな有名な作品にネタバレってのがあるのかどうかはわかりませんけど,,,

それから

主人公代助は,以前友人の平岡に三千代を紹介して,平岡と三千代は結婚していました。代助と平岡夫妻は,しばらく疎遠にしていましたが,久々に再開して,もともと三千代に好意を抱いていた代助が三千代の経済苦をきっかけに急接近します。挙げ句の果てには,平岡に対して三千代と結婚したいと言い出す始末です。馬鹿じゃねぇーのかと思う反面,代助の心情を読んでいくと気持ちはわからなくはないんだけどなと思う部分もあります。

時代背景を現代に変えると,例えば代助は大企業の御曹司の次男。兄が後継者として父の下で働いている。代助は自分探しの旅をしていて,生活費は父の金とも兄の金とも,それとも会社の金ともつかない仕送りを受けている。
いや,仕送りを受けるのではなくて父の会社で役員をしていて会社に行けば行ったで仕事はあるけど,いてもいなくても大勢には影響ない。
仕送り(給料?)の額は並の上で生活をするには十分なお金だけれども毎月綺麗に使い果たして,まとまったお金は持っていない。
住まいは父親が税金対策で購入したマンションか,,,

人間関係をそのまま引きずれば二時間ドラマにでもなりそうな気もします。

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