かつて四大監査法人の一つを占めていながら,カネボウの粉飾決算を契機に中央青山監査法人がみすず監査法人になり,解散するまでのノンフィクションです。
本書では,中央青山監査法人には2000人の会計士が所属していて,その3人が起訴されただけで法人全体を業務停止にしたことによる社会的な影響を取り上げています。
世界的な監査法人のネットワークにも驚かされました。提携というよりも子会社化されているんじゃないかとも思えてしまいます。
超大手の監査法人を業務停止にすることの影響の大きさも理解できなくはないのですが,「社会的な影響」を前面に押し出すと,逆に存続が危ぶまれる状態になると社会的な影響を与えかねない大きな存在は,何でもありか?ということになるのではないでしょうか。
穿った見方をすれば,やばい仕事を少数に集中させて,発覚した段階で,その少数のチームだけ切り捨ててしまう。で,組織の上層部は知らなかったことにするなんてことも可能にもなりかねません。(本書で取り上げられた組織がそうだったというつもりは全くありません)
この事件が一回目なら,ここまでひどいことにはならなかったのではないかと思います。
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